五島編」カテゴリーアーカイブ

五島編 第10話 「河童の手」

ある日、江口家の旦那様が便所でしゃがんでいる時、お尻をなでるものがありました。よく見ると、それは「おかめはんず」に住むいたずら河童の手でした。引っ張りあいで抜けた河童の手は、旦那様の文箱に納められました。腕を返してもらいたい河童は、毎晩、旦那様のもとへ通い懇願します。しかし、今までのいたずらがすぎ、なかなか手を返してもらえません。返してもらう一つの条件を叶えるために、一心に行動する河童。さて、河童は手を返してもらうことができるのでしょうか?河童と旦那様の我慢くらべのお話です。

五島編 第9話 「ばけくらべ」

ひょんなことから“よしあんち”という若者は、カッパが化ける方法を知ってしまいます。その“よしあんち”、自分もカッパになりきり、本物のカッパに化けくらべを願い出ます。“よしあんち”とカッパの化けくらべ対決はいかに?!カッパと人間、化かしあいのお話です。

五島編 第8話 「孝行滝」

山王山のほとりに、父一人、子一人の親子が暮らしていました。冬の寒い日のこと、父は狩りに出かけたその先で滝つぼに落ち、死んでしまいます。その夜、心配しながら息子がうつらうつらしていると白いひげの男が現れ、父親の行方について話し消え去ってしまったのです。息子は、その言葉通りに父親を捜しに行き、命を呼び戻そうと一心不乱に神様に祈り続けたところ…。親子に起こった奇跡のお話です。

五島編 第7話 「ガータローと荒木倫左衛門」

若松の奥山に住むいたずら好きなガアタローは、荒木倫左衛門に相撲を挑みますが、逆に腕をもぎ取られてしまいます。ガアタローは腕を返してもらうべく、毎晩、倫左衛門の屋敷に通いお願いをします。ガアタローの願いが通じ、やっと返してもらえることになったのですが…。河童のガアタローと荒木倫左衛門のお話です。

五島編 第6話 「うぐいす娘/かっぱ祭り」

【うぐいす娘】有川から鯛の浦の方へ行く道の峠にある一軒の茶屋に、可愛らしく美しい娘が毎朝飴チョコを買いに来ました。その娘の正体を突き止めようとした甚八が、娘の後をつけた先には立派な瓦葺の家がありました。そこで、たいそうなもてなしを受けた甚八に起きた、不思議な体験のお話です。
【かっぱ祭】五島では、河童のことを「河太郎」「ガアタロー」、ところによっては「キャタロ」と呼んでいます。その河童たちにまつわるお話です。

五島編 第5話 「楠さん、楠さん」

狩りの途中で大雨に降られた若い猟師は、雨宿りのために大きな楠のうろを借りることにしました。ほどなくすると、何やら話し声が聞こえます。耳を澄まし聴いてみると、自分の子供が7歳の3月3日までしか生きられないという話でした。それから7年の月日が経ち、迎えた3月3日。さて、子供の運命はどうなったのでしょう?富江町山下辺りのおじいちゃんたちが、決まって孫たちに話して聞かせるというお話です。

五島編 第4話 「次郎じいさん」

小河原に住んでいる、とても力の強い次郎衛門じいさん。ある時、河童のガアタローと相撲の勝負をしたところ、負けてしまいました。次郎衛門じいさんは悔しくて、勝つための知恵を絞ります。次の日、再び相撲の試合をした二人。はたして、次郎衛門じいさんと河童の勝負の行方はどうなったのでしょう?次郎じいさんと河童、相撲対決のお話です。

五島編 第3話 「河童と相撲/河童の恩返し」

【河童と相撲】昔、なかんがわには、いたずら河童が住んでいました。あまりにも悪さがひどいので、有川で一番相撲が強い男が、二つの約束をかけて、河童に勝負を挑みます。さて、その結末は…?いたずら河童と男の相撲のお話です。
【河童の恩返し】箒山の近くに、よく働き、正直で親切な半次郎さんという人が住んでいました。ある時、半次郎さんは土地の世話役さんから、荒土地をもらいます。半次郎さんは喜んで、土地を畑にしようと毎日一生懸命石ころ取りをしていました。そんなある日、半次郎さんは怪我をして苦しんでいる河童を手厚く手当てします。それからというもの、半次郎さんの土地はみるみるきれいな畑になっていきます。さてその理由とは…?優しい半次郎さんと河童のお話です。

五島編 第2話 「海から上がった薬師如来像」

ある日、宿の浦にある薬師堂に安置されていた薬師如来像が盗まれてしまいます。里の人達は必死になってお薬師様を探しますが、どこを探しても見つかりません。その夜、お薬師様を深く信仰しているおばあさんは夢の中で、お薬師様からのお告げを受けます。翌日、もう一度、おばあさんの言葉通りに里の人達が探してみると・・・?霊験あらたかなお薬師様のお話です。

五島編 第1話 「豆腐娘/明人堂」

【豆腐娘】五島ではその昔、三年奉公といって、百姓や町人の娘さんは15歳になると奉公に出るという決まりがありました。ある時、一人の娘が奉公に出ます。その奉公先で起こった悲しい出来事のお話です。
【明人堂】17代盛定公の頃、明の国の貿易商人・王直が通商を願いに福江にやってきます。外国貿易をして藩を豊かにしようと考えていた盛定公は喜んで王直を迎え、住む場所を与えました。その王直はじめ唐人さんが暮らしていた唐人町付近に建っている明人堂のお話です。